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なめがたヒストリー

【先祖が必死に守ってきた文化】青沼のどぶろく祭り

~行方市指定無形文化財、どぶろく祭に迫る~

寒いけど半袖しか持っていないので最近の寒さが辛いです。

 

どうもからすです!

 

さて、今回は青沼の春日神社で行われている奇祭どぶろく祭りについてなめがたヒストリーで書いていこうと思います。

 

行方市内では、とっても有名な祭りですが、いったいどのような歴史を持っているのでしょう?

町史と春日神社の説明文

まず、私が説明する前にどぶろく祭りは、一般的にどう説明されているかを見てみましょう。

【麻生町史での説明】

 

祭礼のために各戸からお米を集めどぶろくを造って、神前供える、また参拝者や氏子にも振る舞われる。
4つの組が輪番で担当し、当番の受渡しの式では、新旧の当番が順番に接待する。また高張り提灯を先頭に行列をなして、神社と当屋宅の間を移動する。
さらに式の節目節目で太鼓の共演(祭頭)が勇壮に演じられる。

(『麻生町史』p552より抜粋)

【春日神社前の説明板】

 

御祭神は武甕雷命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)、天児根命(あまつこやねのみこと)、姫大神命(ひめおおかみのみこと)。
大同2年(807)相賀(あうが)八郷の総社として奈良の春日神社より分祀したものと伝えられる。同年7月8日八石八斗の酒を醸造八ヶ郷の総代衆を招待して盛大な祝典を行った。
これが獨酒(どぶろく)祭の初めであり、大祭の日を11月23日に変更した現在も獨酒を造り神前に備えて祭事を行い参拝者にこれを振る舞うことで、公認で獨酒醸造できる稀有の神社である。

(春日神社前の説明板より抜粋)

町史と説明板共に、どぶろくを使った由緒あるお祭ということが記してあります。
そして説明板には気になる言葉が書いてあります。

 

「大祭の日を11月23日に変更した現在も」ということです。

 

つまり、もともとどぶろく祭りは、11月23日に行われていた祭りではなかったのです。
その変遷を今回は説明したいと思います。

どぶろく祭りの日程の変遷と酒税制度

まず、地元に愛されるお祭りであるどぶろく祭はいつ始まったのでしょう?

そして、祭りの変遷を追うことによってどぶろく祭りの歴史を考えてみましょう。その辺を今回は詳しく書いていこうと思います。

 

どぶろく祭りの起源は口伝では、奈良の春日大社より第51代平城天皇の御代(おおよそ7世紀)に鎮座する四神を奉り、陰暦7月28日に酒を醸造し、相賀八ヶ郷の総鎮守を祀ったことから始まったと伝えられます。

 

その後、時代は下り、後西天皇の時代、寛文元年(1662年)に、どぶろく祭りを行う春日神社が改築したということが神社の棟札に記してあります。

 

その後、天狗党の乱によって春日神社の神宝が失われる等と様々な事件を乗り越え、明治時代に入っても、人々に支えられ、どぶろく祭りが引き継がれます。

 

明治30年(1897年)に酒税法の改定により、どぶろくを醸造する神社は醸造に関して申告制になり、醸造の許可を取ることによって無税でどぶろくを頒布できるようになります。

 

明治40年(1907年)にどぶろく祭りの日程を旧暦から新暦に移すことになり、旧暦7月28日から、新暦9月28日に変更されました。

 

その後、脈々と受け継がれた祭りでしたが、太平洋戦争の敗戦の昭和21年(1946年)にGHQによって無税酒造を禁止され、課税されるようになりました。

 

その後、昭和23年(1949年)にどぶろくの酒造は禁止され、どぶろく祭の歴史は一度絶えてしまいます。

 

その後、サンフランシスコ講和条約が結ばれた昭和27年(1952年)を期にどぶろく製造の請願運動が起こり、麻生出身の代議士に依頼し、祭典用のどぶろくを課税の上、許可するということになり、その際に11月23日にどぶろく祭りの日にちが移され、現在まで続くどぶろく祭となっています。

 

このように、地元の人々に支えられ、文化として必死に守られてきた歴史がどぶろく祭りにはあるのです。

 

伝統を守り続けるのには先人たちの大変な苦労があったと思います。

 

さて、今年はどのような祭りになったのでしょうか?

平成25年 どぶろく祭り

晴れた空は澄み渡り、絶好の祭日和となった平成25年どぶろく祭り!

 

早速突入取材です!

晴れ渡った空に旗は似合いますね!

さて、鳥居をくぐって境内へと入っていきます。

会場では宴会が始まっていました!

提灯もかっこいい「あ」の印です!

おっ、これがどぶろくですね!

気泡が出ていて美味しそうです! 今年は台組の仕込んだどぶろくです!

どぶろくをいただいてきました!

蓋をすると発酵して、危険なので蓋が開いています!

そしてどぶろく祭は夜へと…

太鼓の演舞の披露です! 大太鼓と締太鼓の共演です!

夜も変わらずどぶろくは振る舞われます!

こうして今年のどぶろく祭りの夜は更けてゆくのでありました・・・

太古より青沼地区に脈々と受け継がれる伝統。

 

地元の人々に愛され、守られてきた祭りがここにはありました。

 

来年も楽しみにしています!

 

以下が春日神社の地図です!

 

参考文献

・『麻生町史 民俗編』(麻生町史編さん委員会 2001)
・高野嘉「青沼地名並にどぶろく祭について」

(麻生町郷土文化研究会『麻生の文化』第三号 麻生町教育委員会 1970)

取材協力

青沼地区どぶろく祭り 台組の皆さま

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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