なめがた今昔物語
日本が戦後復興期を終え、「もはや戦後ではない」と有名な経済白書の一文が書かれた昭和35年ごろの映画館・麻生会館の前の写真です。
この頃の日本は戦後の混乱期を乗り越え、戦後の暗い雰囲気から一転だんだんと明るさを取り戻してきた時期でした。
疎開していた子供たちも都会に戻り、街はまた賑わいを取り戻しつつある風景です。
その一方では、街の賑わいとは裏腹に、戦前に大衆娯楽の王様と言われた映画館は、この頃はだんだんと衰退していく時期でした。
なぜ衰退して行ってしまったかというと昭和28年のテレビ放送開始が大きく関係しています。
テレビ放送が開始され、昭和35~37年頃に一般家庭への普及が進むと、だんだんと庶民の娯楽の王様であった映画館はひっそりとその役目を終えていくのでした。
近所の方の証言によるとテレビで力道山のプロレスが放映された時期は、映画館の中にテレビをおいてプロレスを見た後に映画を放映していたそうです。
今考えるとかなり不思議な風景ですね。
今回取材して色々考えてしまいました。
この写真は映画からテレビに庶民が移り変わる時期の映画館・麻生会館の貴重な写真です。
写真一枚からも時代を感じられる良い写真ですね( *´艸`)