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なめがたヒストリー

【鶴ヶ居貝塚】現地見学会! 行方市の縄文時代中期の遺構

~約4500年前、行方地域に集落があった~

寒い日が続いていますね~><

どうもからすです!

 

さて、今回のなめがたヒストリーは、「行方市に縄文時代の遺跡が出たぞー!」「竪穴住居跡が出たぞー!」という事で、3月5日(日)に行われた北浦山田の鶴ヶ居貝塚の現地見学会に行ってきました☆

 

今回はその模様をお伝えできればと思います。

そして、最後には筆者からすの遺跡の現地見学会の楽しみ方をチョロっと書かせていただきま~す^^

北浦山田の鶴ヶ居貝塚とは

 

見学会を行った鶴ヶ居貝塚は、行方市山田の以前ココストアがあった場所の前にある遺跡です。

今回の調査は「主要地方道水戸鉾田佐原線バイパス道路改良事業に伴う埋蔵文化発掘調査」ということで、平成28年9月1日~平成29年5月31日まで行われています。

※見学会は今回限りになります。


この鶴ヶ居貝塚は、約標高34mの行方台地に位置し、昭和47年にかつての北浦村教育委員会による発掘調査で、竪穴式住居跡16棟などが発見され、今からおおよそ4500年前の縄文時代中期の集落跡であることが分かっています。

鶴ヶ居遺跡現地見学会の内容

今回の現地見学会では、約180名の方がいらっしゃいました。

 

発掘調査員の方の話によると今回の調査では、竪穴住居跡7棟(縄文時代6棟、古墳時代1棟)、袋状土坑を含む土坑560基(縄文時代)、おとし穴4基(縄文時代)、小規模な貝塚が6基の土坑内で見つかている(平成29年2月1日現在)との事です。

 

たくさん住居跡が出るとロマンが広がりますよね~

 

こんなにたくさんの人が集まる遺構が、行方市にあるという事はとても誇らしい事ですね!

人がたくさん集まっています!

見学者は掘りたての遺構をじっくり見ていました!

上の写真で説明されている第3号住居跡

第3号住居跡は、中央部の床が深く掘りこまれた有段式の建物の跡です。


床面の周囲に掘られた溝が複数確認できることから、建て替えられた建物とみられます。


何回も建て直したことが分かるというのはよっぽどいい土地だったんでしょうね


非常に面白いですね(^^)

出土遺物の説明は、多くの人が興味津々に聞いていました!

こちらが縄文土器です~!

こちらがオススメの土器になります~!

今回の調査で発掘された遺物は、縄文土器(深鉢・浅鉢)、土製品(土器片錘)、石器(鏃・打製石斧・磨製石斧・石匙・石皿・磨石・石錘・敲砥石)、石製品(垂飾)、骨角器(ヤス)、貝(ハマグリ・シオフキ・カガミガイ・アカニシ)、魚骨など縄文時代の遺物の他に古墳時代の土師器(坏・甕)があるとのことです。


現地見学会の中では遺物を並べて発掘調査員の方々が一つ一つ解説してくださっていました。


また、現地では出土した遺物を実際に触ることのできる体験ゾーンも設置されていました!


いつもは博物館のガラスケースの中で展示されている縄文土器や土師器を実際に触ることが出来て嬉しそうにしている方がたくさん!


このような体験が歴史に対する興味を育むのだなと感じました。

体験ゾーンの遺物は本物を触れました☆

遺跡見学会の楽しみ方

 

遺跡などに興味のない方は、土器や貝、住居跡等を見ても「いったい何が面白いんだろうか」とと思う人がいるかもしれません。

 

そういう方々にぜひ知ってもらいたい! 遺跡見学会の楽しみ方を書いていこうと思います(笑)

 

遺跡見学会で今後使うかもしれない知識を書いていきますので、今後遺跡の現地見学会などに行かれた方は参考にしてみてください。

遺構と遺物と遺跡の違い

 

遺跡を見学すると、遺構・遺物と遺跡というこの3つの言葉をよく聞きます。

最初にこの使い分けを説明します。

 

まず遺構とは、簡単に言うと動かせないものです。住居跡や土坑のことを言います。先に説明した第3号住居跡は遺構ということになりますね。

 

次に遺物とは、簡単に言うと動かせるものです。石器や土器、獣骨や人骨、また装飾品などのことを言います。先に取り上げた体験ゾーンで説明されていたものが遺物という事になりますね。

 

そして遺跡とは、遺構と遺物が両方出ている状態で人々の生活が分かるような跡の事です。遺構がメインで遺物が出土するとここで遺跡になります。

 

ちなみに、遺物だけしか出てこない場所は遺物散布地といいます!

 

この3つの用語は今回の見学会でも、発掘調査員の方々も注意して解説されていましたね。

遺跡を掘る側にとっては、実は重要な言葉であったりします。

 

見学会に行かれた場合は注意して聞いてみましょう♪

土坑(穴)を楽しむ

袋状土坑とはこんな感じの見た目をしています。

まず、土坑とは何か。土坑というのは、簡単に言うとでっかい穴です。


そして今回の調査でたくさん出土した袋状土坑とは何か。簡単に言うと入口のすぼまったでっかい穴です。


袋状土坑は別名はフラスコ状土坑とも呼ばれ、普通の土坑と比べて特殊な形をしています。


なぜこのような形をしているのでしょうか。


袋状土坑とは横から見ると左のような感じになっています。

これは食料を貯蔵するときに、外気に触れる開口部を少なくして、一定の湿度を保つために効果的であったと考えられています。

つまり、縄文時代の人たちの生活の知恵ですね^^

遺物を楽しむ

よく見ると土器に付けられた爪の跡が見えます。

縄文土器は色々デフォルメされているので見ているだけでも楽しい土器です。


縄の模様がついていたり、口の部分に装飾があったり、爪でつけたような模様(※しの竹を半分に割ったものでつけた模様)があったりします。


きっと古代人もカッコいいからこんな模様に仕上げたんでしょうね(笑)


4500年前の人々が付けた模様と考えるとワクワクしますよね!

左側が黒ずんだ土師器

鶴ヶ居貝塚から発掘された土師器です。


土師器というのは時代が下って古墳時代のあたりの土器です。


製造技術が上がったため縄文土器より薄く焼き上げることが可能になりました。


左側が黒ずんでいる所を見ていると、土を火にかけて焼いたという事がはっきりわかります^^


遺物からはどんな風に作っていたのかもわかってしまうんですね^^

石匙・打製石斧・磨製石斧等の石器です。

石器は石で作られた生活の道具です。


左側に見える石匙は縄文人たちのナイフとして使われたもので、獣の肉を切ったり皮を剥いだり、なめしたりするときに使うものです。


現在のように石を加工する機械も紙ヤスリもなかった時代に、石を使ってこんな道具を作っていたと考えると驚きですよね。


道具を作るにもガッツが必要だったことでしょう…。

獲物を捕らえるためにこれを使ったのですね。

石鏃は矢の先につけるいわゆる矢じりです。


この矢じりは返しが付いているので動物の体に刺さった時に抜けないように工夫されています。


当時獲物の動物と出会ったら生きるか死ぬかの勝負だったため、確実に仕留めることが大切だったんですね><


これも縄文人たちの工夫ですね^^


一つ一つの石鏃から縄文人たちの魂が伝わってきます。

たくさんの海の貝が出土します。

遺物で注目したいのが海の生き物であるハマグリなどが多く出土するという事です。


これは鶴ヶ居貝塚がかつては縄文海進海という海水面の上昇した時は、海のすぐ近くであったという事を物語っています。


現在は湖に囲まれた高台である場所のすぐそばまで海があったという事は驚きですね^^


貝一つ一つが当時の状況を教えてくれます。

おわりに


今回の遺跡発掘調査でこの鶴ヶ居貝塚では、約4500年前から人々が居住し、集落周辺の山や海で採った食料を袋型土坑で貯蔵して生活を営んでいたという事が分かりました。


約4500年も昔から人が住んでいたという事がきちんとわかる行方ってすごいですよね><


つまりそれだけの人々を支えるだけの豊かな土地であったという事です。


遥か昔より人々の生活を守り続けてきたこの行方という地域。


遺跡を見ながら当時の風景を想像してしまいます。


これからも誇りに思いながら現代という世の中を生きていきたいですね。


参考資料

第8回発掘調査遺跡現地説明会資料


取材協力

行方市教育委員会 生涯学習課
公益財団法人 茨城県教育財団

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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