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なめがたヒストリー

【常陸国風土記】夜刀神説話(やとのかみせつわ)について

私が最も好きな行方市の歴史 あなたは夜刀神説話を御存知ですか?

どうも! からすです! 今回のお話は行方市のとある説話です!

 

実はからすはこのなめがたヒストリーをやると決まった時からどうしても取り上げたかった話題があるのです!

 

それが今回取り上げる夜刀神説話(やとのかみせつわ)です!

 

実は、からすは大学の卒業論文がこの夜刀神説話について書いたので、個人的に非常に思い出があるお話なのです★

夜刀神説話とは?

まず、夜刀神説話とはなんぞやという人のために簡単に説明します。

 

常陸国風土記の行方郡の条において、古代の土地政策や開墾を見ることができ、自然の上に中央朝廷権力を配置すると共に、大和朝廷による異民族排除及び追放が、投影、象徴されている説話」と言うことができます!

 

簡単に言うと、「行方市の昔話で、山に住む神様と戦って田んぼを作ろうとした話」です。

 

お話を理解する上で原文を読むことが一番いいのですが、ちょっとわかりにくいので、からすが想像を加えながらだいたいこんな感じというお話にまとめてみました。

 

 

《第一部:箭括氏麻多智(やはずうじのまたち)VS夜刀神》

 

昔々、継体天皇の時代に箭括という人がいました

 

箭括「山を耕すのも疲れるなぁ~。でも、開墾をたくさんして、田んぼを作らないと生活が豊かにならないもんな! 頑張ってこの谷を開墾しよう!」

 

夜刀神「貴様になどには、この土地を開墾させんわ!」

 

箭括「何者!?」

 

夜刀神「我が名は夜刀神。この谷に住む頭に角のある蛇の神である。我々に祟られると家は破滅し、子孫は絶えると言われている。どうだぁ? 怖いだろう!? お前らの開墾を邪魔してやる~ヒッヒッヒ」

 

箭括「はぁ!? いきなり現れて意味がわからん奴らめ。お前らなど皆殺しにしてやる。鎧もってこい鎧! 戦じゃーーー!!!!」

 

武装した箭括に打ち殺される夜刀神たち

夜刀神「仲間は皆、殺されてしまった…とりあえず山の上に隠れることにしよう……」

 

箭括「夜刀神との戦には勝った。夜刀神も去った。これからは夜刀神と人間は住みわけなければならないな。よし、この山の入口に堀を掘って境界線で区切って住み分けることにしよう」


(山の上の夜刀神に向かって)

「おーーーい!!! 夜刀神――!!!! こっから上は神の土地にするから自由に暮らせよーーーー! ただしここから下は人間が住むから決して降りてくるんじゃないぞーーーー!」


「夜刀神に聞こえたかな? (返事がないなんて…)なんか怖くなってきたな…

お願いだから祟らないでくれよ…あっ! そうだ! 俺が神職になって、山を管理すればいいんだ!

よし、そうと決まれば祠を作って祭りをしようじゃないか!」

 

そうして箭括の子孫は夜刀神を祀る神職になったとさ

 

 

《第二部:壬生連麻呂(みぶのむらじのまろ)VS夜刀神》

 

箭括の時代から約140年の時が立ち…
孝徳天皇の時代に壬生という人が国造として派遣される

 

壬生「天皇陛下に行方郡を作れと命令されて派遣されてきたわけだが、今後人々の生活を豊かにするために農業のことを考えると、谷に堤を作って灌漑用の池を作らないといけないな…そうでないと、この土地は発展しないだろうしなぁ」

 

夜刀神「なにかまた、我々の住処を荒すものが現れたようだな…。140年前のようになってたまるか! 我々の力を思い知らせてやる! 池の周りの椎の木に登って徹底抗戦だ!」

 

集まった夜刀神は椎の木の上から去ろうとしない。そこで壬生が怒り狂う

 

壬生 「夜刀神、いいか、聞け。この池はここに住む皆の生活がかかった池なのだ。それをお前らは邪魔ばかりしてなんという神なのだ」

 

(民衆に向かって)

「もう、俺は怒った。魚だろうと虫だろうと夜刀神だろうと知らん。邪魔する奴は皆殺しにしてしまえ」

 

夜刀神「ぎゃあああぁぁあ、殺されるぅううう。逃げろーーー!」

 

そして、夜刀神が去った後に池は無事に完成し椎井の池と名付けられた。
池の回りからは清水が湧き、土地の人々の農業に使われましたとさ

 

というようなお話に噛み砕いてみました!

きちんと知りたい方は鵜呑みにしないでちゃんと原文を読んで下さいね♪

 

夜刀神説話は二部構成になっており、箭括氏麻多智編と壬生連麻呂編に分かれます。

 

それぞれ違う立場で書かれているので面白いですね!

 

このようなお話が今から約1300年前に編纂された『常陸国風土記』に記述されているのです!

 

こんなに大昔から歴史の記述が残っている行方市は本当にすごいですね!

 

ということで、夜刀神の祀られる愛宕神社に行ってみましょう!
 

愛宕神社(夜刀神神社)に行ってみた!

神社は結構山奥なのでこんな看板もあります!

まず、愛宕神社(夜刀神神社)に行こうとするとこの看板に出くわします。

森全体が猟区になっているので、神社に行かれる方は気をつけて行って下さいね!

ここが神社の入り口です

鳥居の奥では水が湧いています

坂を降りると、池の中に鳥居が立っているのが見えてきます!

この池が椎の池といわれる池で、壬生連麻呂と夜刀神の戦いの舞台になった場所です。

 

これが愛宕神社の入り口です!

横には行方市の彫刻家である宮路久子氏制作の壬生連麻呂のブロンズ像が設置してあります。

夜刀神を退治したと言われる壬生連麻呂(みぶのむらじまろ)のブロンズ像です!

この鳥居の奥は水がこんこんと湧いており神秘的な空気を体験することができます!

水が湧いている様子は下の動画をご覧ください!

さて、湧き水を見た後はいよいよ神社の本殿へ向かいます!

本殿へ向かう階段は、夜刀神説話によると神様の世界と人間の世界の境。

神聖な気持ちで登らせていただきます。

 

ただ、本殿は山の上にありますので、階段を登らなくてはならず結構大変です!

ここから夜刀神の鎮座する山の上に登ります!

(※結構キツイ階段)

はい。結構きつい階段を登るといよいよ本殿です!

この本殿の右横に、夜刀神を祀る夜刀神神社が摂末社として祀られています!

こちらが山頂にある本殿です!

御社の右側を進むと夜刀神神社があり夜刀神が鎮座しています★

皆さまも休日などに『常陸国風土記』の世界に浸ってみるのはいかがでしょう?

また、夜刀神説話で行方市の歴史に思いを馳せて見ませんか?

 

以下が地図です!

迷うと思いますが参考にしていってみて下さい!

参考文献

 

・瀧音能之編『演習 風土記』(白鳥舎、2001)
・『麻生町史 通史編』(麻生町史編さん委員会 2001)
・『常陸國風土記』(財団法人常陽藝文センター、1992)
・『玉造町史』(玉造町史編さん委員会、1985)
・羽生均「常陸風土記菅政友による写本を読む」(麻生郷土文化研究会『麻生の文化 第40号』 2009)
・羽生均「続 常陸風土記菅政友による写本を読む」(麻生郷土文化研究会『麻生の文化 第41号』 2010)
・羽生均「続々 常陸風土記菅政友による写本を読む」(麻生郷土文化研究会『麻生の文化 43号』 2012)

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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